世の中に流通する多くの自転車はOEM生産によって生産され発注元のブランド名で販売されています。
OEM生産というのはザックリ言うと販売元の製造を請け負ってプロダクトを生産する体制などなど。
つまり、『このバイクは名前と販売こそあの会社だけど実は製造はウチなんだぜ~』なシステム。
でもこれ、スポットライトが当たるのは販売元の会社で請負業者はあくまで世間的には注目されない。
今回はそんな請負業者が自社ブランドで販売した高性能ロードバイクのお話です。
製造元はDARE(ディアー)社。このモデルの名前はMR-1。当然DARE社のオリジナル製品です。
ニールプライド社やラピエール社、BMC社のOEM先だけあって随所にそれらの意匠が見て取れます。
つまり大手ブランドの主力モデルのいいトコを集めたという感じのフレームです(乱暴な言い方ですが)。
このフレーム自体は見ての通り、軽量性を活かしたヒルクライムなどが最も能力を発揮するでしょう。
名前のMR-1のMRというのはMountain Raceです。
ホームページはこちら 。このフレームを使用しての当店オリジナル組のお値段の提案も載ってます。
ではザックリと説明していきます。
フォークは先細りのストレートフォーク。
トップチューブとフォークのデザインは繋がるデザイン。
ヘッドの下ワンは1-1/4です。
ヘッドチューブは角断面。
ナイトホワイトカラーは白地に赤、青のトリコロールを基調とし水色や黒でアクセントを加えたカラーです。
バックステーはこの細さ。
横に扁平しているので衝撃吸収性もありそうですね。
なお、こういう細い軽量フレームは『どうせ剛性不足でしなるんだろ?』と考える方もおられるはず。
しかし、このフレームはよく使われる東レのT-700などのカーボンではなく独自のカーボンを採用。
ハイレジスタンス系のカーボンを用いて独自の製法のカーボンで製造されています。
一般的なものより引っ張り強度も反発強度も高いので細いデザインでも剛性は十分確保されてます。
『”単なる各メーカーのデザインいいとこ取りした寄せ集め”バイク』じゃないんですぜ。
カーボン素材の面でオリジナリティを出してくる辺りがシブいですし製造元って感じで職人気質を感じる。
ケーブルルーティングは中通し式です。
ヘッドチューブの形状はニールプライド社のバイクに似ています。
シフトケーブルがフレームに入る孔はラピエールのバイクなどでお馴染みの形状。
3本のパイプが接合する集合部もニールプライド社のバイクの形状を彷彿とさせます。
バックステーがトップチューブまで延伸することにより剛性確保と振動の分散が狙いですかね。
ボトムブラケット周りは左右非対称のアシンメトリーです(角度が悪くてわかりづらくて申し訳ない)。
ボトムブラケットの規格はBB86です。
このゴッツイチェーンステーはBMCのようなイメージ。
このディレイラーハンガーの固定方式はまんまBMC。
カーボンのエンドをハンガーで左右から挟み込むことで強度は従来の比ではないでしょう。
他のメーカーでもこのシステム流行らないかな?この固定方式は良い。
この鮮やかなラメが入った赤色が綺麗です。
ブラックカラーもあります。
公式展開はナイトホワイトとマットブラックの2種類ですがメーカーではカラーオーダーも受け付けてます。
もちろんアップチャージはかかりますけど。このあたりが製造元らしいフットワークの軽さ。
そのうちマットブラックのフレームの紹介もする予定ですのでその時にでもカラーオーダーの色でも。
とまあ、こんな感じでDARE社のMR-1でした。
今現在、マットブラックのフレームが一本、店頭展示してますので見られたい方はご来店下さい。
なお、明日は店は休みですのでご了承下さい。
【組んでみた】
なお、今日ご紹介したフレームはお客様のオーダー品。
ホイールとシートポスト、サドルをお持ち込みで組ませて頂きました。
この組立工程を次回のネタにさせていただきたいと思います。
DAREに興味のある方、興味を持った方はぜひご覧頂ければ。
かいたひと→店員A